A1生命

植物の発芽と成長

種が芽を出すのに必要な3つの条件と、大きく育つしくみを学ぶ。

学ぶべきこと

Lesson 01

発芽の意味と3つの条件

発芽(はつが)空気適した温度

種子から芽が出ることを「発芽」という。植物が一生を始める最初のできごとであり、何が必要かを正確に知っておきたい。

発芽に必要な条件は何か。

空気適した温度の3つである。日光栄養肥料)は発芽そのものには必要としない。

種をでいっぱいに満たしたコップに沈めると、発芽するか。

発芽しない。中では空気に触れられず、種は呼吸できないためである。

発芽日光は必要か。

不要である。種は土の中、つまり暗い場所で発芽する。日光発芽後の成長で初めて必要になる。

まとめ

発芽の3条件は「空気適した温度」。日光肥料発芽には不要である。

発芽の意味と3つの条件
図 発芽の意味と3つの条件
Lesson 02

種子の構造

種皮(しゅひ)胚(はい)胚乳(はいにゅう)子葉

種子はただのカタマリではなく、それぞれ役割をもった部品からできている。発芽のしくみを正しく理解するために、まず構造を押さえる。

種子の一番外側のカラを何というか。

種皮(しゅひ)」という。中身を保護するはたらきをもつ。

種子の中で、発芽したあとに植物の体になる部分を何というか。

「胚(はい)」という。胚はさらに、根になる「幼根(ようこん)」、芽になる「幼芽(ようが)」、最初の葉となる「子葉(しよう)」に分かれている。

イネやトウモロコシの種子で、栄養を蓄えている部分を何というか。

胚乳(はいにゅう)」という。インゲンマメには胚乳がなく、子葉栄養を蓄えている。

まとめ

種子の主な部品は「種皮・胚・胚乳」。胚はさらに幼根幼芽子葉に分かれる。

種子の構造
図 種子の構造
Lesson 03

種にたくわえられた栄養

でんぷんヨウ素液子葉胚乳

発芽したばかりの芽は、まだ自分で栄養を作ることができない。そのため、種子の中にあらかじめ「お弁当」として栄養が用意されている。

種子に蓄えられている主な栄養は何か。

でんぷん」である。ごはんやパン、いもなどに含まれているものと同じである。

でんぷんがあるかどうかを確かめるには、何を使うか。

ヨウ素液」を使う。でんぷんがあれば青むらさき色に変わる。これを「ヨウ素でんぷん反応」という。

インゲンマメとトウモロコシでは、栄養を蓄える場所が違う。それぞれどこか。

インゲンマメは「子葉」に、トウモロコシは「胚乳」に栄養を蓄えている。

まとめ

種子に蓄えられた栄養は「でんぷん」。ヨウ素液で青むらさきになることで確かめられる。

種にたくわえられた栄養
図 種にたくわえられた栄養
Lesson 04

発芽の順番 — まず根が出る

幼根(ようこん)発芽の順序水と養分を吸う

発芽するとき、種子からは複数の部分が順番に出てくる。最初に出るのが何かを知ると、植物がどう生きているかが見えてくる。

発芽するとき、種子から最初に出てくるのはどこか。

「根(幼根)」である。芽(幼芽)より先に、根が下に向かって伸び始める。

なぜ根が先に出るのか。

土の中からや養分を吸い上げて、芽が伸びるための準備をするためである。

根のあとは、何が伸びるか。

茎が地上に向かって伸び、続いて子葉が地表に出てくる。

まとめ

発芽の順序は「根 → 茎 → 子葉」。先に根が伸びるのは、水と養分を吸うためである。

発芽の順番 — まず根が出る
図 発芽の順番 — まず根が出る
Lesson 05

成長の条件 — 日光と肥料が加わる

日光肥料成長の5条件

発芽したあとの植物が大きく育つためには、発芽の3条件だけでは足りない。新たに加わる条件を整理する。

植物が大きく成長するために必要なものは、発芽の3条件に加えて何か。

日光」と「肥料(養分)」の2つである。あわせて成長には合計5つの条件が必要になる。

なぜ日光が必要なのか。

植物は葉で日光を受けてでんぷんを作るためである。日光が当たらないと、十分な栄養を作れない。

肥料は具体的に何のはたらきをするか。

土の中に不足しがちな養分を補い、葉や茎を丈夫に大きく育てる。

まとめ

発芽の3条件+「日光肥料」=成長の5条件

成長の条件 — 日光と肥料が加わる
図 成長の条件 — 日光と肥料が加わる
Lesson 06

条件を欠くとどうなるか — 育てそこなった姿

日光不足肥料不足もやし

成長に必要な条件のうち、1つを欠くと植物はどのような姿になるか。実際の見た目で覚えると、条件の意味が実感できる。

日光を当てずに育てた植物はどのような姿になるか。

茎が細く白っぽくひょろ長く伸び、葉の色がうすくなる。もやしがその典型例である。

肥料を与えずに育てた植物はどうなるか。

日光は当たっても、全体が小さくて元気がない姿になる。葉も大きく育たない。

まとめ

「ひょろっと白い」なら日光不足、「小さく弱々しい」なら肥料不足と判断できる。

条件を欠くとどうなるか — 育てそこなった姿
図 条件を欠くとどうなるか — 育てそこなった姿
Lesson 07

葉のはたらき — 光合成

光合成(こうごうせい)日光二酸化炭素でんぷん

植物は自分で栄養を作ることができる。動物にはできない、植物だけの大切なはたらきが「光合成」である。

光合成にはどんな材料が必要か。

日光空気中の二酸化炭素の3つである。これらを葉で組み合わせる。

光合成によって何が作られるか。

でんぷん」と「酸素」である。でんぷんは植物の栄養となり、酸素空気中に放出される。

光合成が行われていることを確かめるには、どうすればよいか。

葉をヨウ素液にひたして色の変化を見る。日光に当たっていた葉は青むらさき色に変わり、でんぷんができていることがわかる。

まとめ

光合成は「日光二酸化炭素」を材料に、葉が「でんぷん酸素」を作るはたらきである。

葉のはたらき — 光合成
図 葉のはたらき — 光合成
Lesson 08

双子葉類と単子葉類

双子葉類単子葉類子葉の枚数

植物は子葉の枚数によって、大きく2つのグループに分けられる。仲間分けを覚えると、植物の特徴が予想しやすくなる。

子葉が2枚の植物のなかまを何というか。

双子葉類(そうしようるい)」という。インゲン・ヒマワリ・アサガオ・サクラなどが含まれる。

子葉が1枚の植物のなかまを何というか。

単子葉類(たんしようるい)」という。イネ・ムギ・トウモロコシ・ユリなどが含まれる。

栄養を蓄える場所にも違いがある。それぞれどこか。

双子葉類子葉に、単子葉類胚乳栄養を蓄えていることが多い。

まとめ

子葉2枚なら双子葉類、1枚なら単子葉類栄養の蓄え場所も異なる。

双子葉類と単子葉類
図 双子葉類と単子葉類

寄り道コラム

Lesson 01

種はどうやって温度を感じ取るのか

酵素(こうそ)化学反応温度スイッチ

種子の中には温度計のような器官はない。それでも、種はちゃんと「あたたかさ」を感じて発芽する。そのしくみを支えているのが「酵素」である。

酵素とは、どんなはたらきをするものか。

生き物の体の中で、化学反応をスムーズに進める小さな「化学屋さん」のようなはたらきをもつ物質である。

酵素温度によってどう変わるか。

寒いとほとんど動かず、あたたかくなると活発に働き始める。発芽はこの酵素のはたらきで進む。

種類によって発芽しやすい温度が違うのはなぜか。

もっている酵素の種類が違い、よく働く温度も違うためである。イネは暑めが好き、レタスは涼しめが好きである。

まとめ

種は「温度を感じている」のではなく、温度によって酵素が動き出して発芽が始まる。

種はどうやって温度を感じ取るのか
図 種はどうやって温度を感じ取るのか
Lesson 02

対照実験 — 1つだけ変えて確かめる

対照実験1つだけ変える比べる

発芽が必要」と確かめるには、どう実験すればよいか。答えは「他は全部同じにして、だけ変える」である。これを対照実験という。

なぜ複数の条件を同時に変えてはいけないのか。

もし発芽しなかった場合、どの条件のせいかが分からなくなるためである。

対照実験の基本的な進め方は。

基準となる「すべてそろえた条件」を1つ用意し、他は1つだけ条件を抜いたものを並べる。結果を比べることで、抜いた条件のはたらきが分かる。

まとめ

「1つだけ変えて、他は全部同じ」が対照実験の鉄則。原因をはっきりさせるための科学の基本である。

対照実験 — 1つだけ変えて確かめる
図 対照実験 — 1つだけ変えて確かめる
Lesson 03

子葉が落ちるのはなぜか

子葉本葉(ほんよう)光合成

発芽したあとに最初に開く2枚の葉は子葉である。種子のお弁当を芽に届ける役目をもつが、しばらくすると黄色くなって落ちてしまう。そのわけを考える。

子葉はやがてどう変化するか。

黄色く変わり、しおれて、最後には落ちてしまう。

なぜ子葉は落ちてしまうのか。

蓄えていた栄養でんぷん)を芽の成長に使い切り、役目を終えるためである。

子葉が落ちる頃、植物の体ではどんな葉が活躍し始めているか。

本葉(ほんよう)」と呼ばれる新しい葉である。本葉光合成によって、自分で栄養を作り出すことができる。

まとめ

子葉は種子の「お弁当」。栄養を使い切ったら役目を終え、本葉光合成で自給を始める。

子葉が落ちるのはなぜか
図 子葉が落ちるのはなぜか